ラムセス2世の熱い眼差し
(エジプト随想録・前編)
2017年2月に、クライオンのチャネリングで知られているリー・キャロルのエジプト・ツアーに参加しました。これは、米国にいる親友の霊能力者であるナタリア(本人の希望で仮名にしてます)の強い勧めによる参加で、当時は特に興味があったわけではありませんでした。読みやすいようになるべく写真が多いガイドブックを買ったものの、それすら前もって勉強することもついぞなく、極めてアンポンタンな状態で参加したのでした。
カイロのホテルに300人ぐらいがワンサカ集合し、その翌日の朝(といっても朝の3時とか物凄い早い時間)にチェックアウトして、カイロの空港から皆でアスワンに飛びました。
アスワンといえば、「アスワンハイダム」ですよね。空港から観光バスに乗り、ダムのある地帯まで向かいました。僕は歴史は詳しくありませんが、ナイルの氾濫を防ぐ目的で造られたこのダムのせいで、アブシンベルなどの上流の種々の遺跡が水没の危機に晒され、急遽場所を移された、というのは有名な話ですよね。正直な感想としては、だだっ広い川の上にかかった殺風景なダムの上で、冷たい風に晒されただけで、特に何の感動もありませんでした。
これは余談で、あくまで僕のclaircognizantな知識なのですが、ナイル川っていうのは、昔はこうやって南から北に流れてはいなかったんですよね。アトランティスが沈んで、トート (Thoth) が一部の人間を北アフリカに移した時には(この時、僕はまだシリウス人でした)、北アフリカは緑が鬱蒼としたジャングルで、ナイル川は、今のエチオピアからモロッコに向かって東西に流れる大河でした。やがて、砂漠化が進み、この大河の上流だけが残存して現在のナイル川になったんですよね。
アスワンには、イシス神殿もあります。イシス (Isis)といえば、エネルギー的には、西洋の聖母マリア、そして東洋の観音様と同じ存在と僕は理解していますが、このイシス神殿もまた、ダムの建設による水没の危機のために、小島に場所を移されたそうです。たしかに小船に乗って僕たちが訪れた時には、正直言って、あんまりこれといったエネルギーは感じませんでした。
しかし、小船に乗った僕の写真を見ていただければわかるかもしれませんが、僕の当時(僕が地球で人間として転生を始めた古代エジプト時代)の自分の顔が、船に乗っている僕の顔に乗り移って、古代人っぽい表情をしています。
アスワンには、ヌビア博物館もあります。敷地の大きさに比べて、博物館の内部はそんな大きくはありませんが、まあ、博物館らしく、いろいろな出土物とかが展示されていました。僕は、昔から博物館とか美術館とかが苦手で、どんなに「興味があるフリ」を繕っても、10分と持ちません。今回もそんな感じで、興味があるフリをして、ナタリアたちと一緒に歩きながらも、「お土産屋はどこでっか〜?」と気持ちはかなり先に行っていました。
ふと角を曲がると、目の前に大きな石像が現れました。すると、突然僕の体が止まりました。金縛りとは違うと思うのですが、足が前に進まず、視線もこの石像の目から離れないのです。
「えっ?」
なんだかわからず不思議に思っていると、突然キーンと音が鳴り出し、石像の両目からウオンウオンウオン〜と波動が僕の眉間にやってきました。
とても名状し難い波動ですが、それは紛れもなく愛の波動でした。愛といっても「人類愛」とか「博愛」とかの大きな意味の愛ではなくて、誰かに恋焦がれて注ぎ込まれる個人的な「あなただけ」の愛です。
「えっ、何、この感覚?」
僕がどうしていいかわからず、戸惑っていると、ナタリアが僕の後ろから話しかけます。
「これはラムセス2世の石像だけど、この石像には本当にラムセス2世がいるようよ。彼があなたにラブコールを送っているわ。あなたは当時彼が最も溺愛し、そして最も信頼した最愛の人だったの。だから、あなたにイニシエーションを送りたいって言ってるわ。」
僕は驚きましたが、僕の感じた個人的な愛の波動はそれだったんだなあ、と妙に納得がゆきました。
ナタリアは続けます。
「でもね、あなたのハイヤーセルフとイェシュア(イエス)が、あなたにはこのイニシエーションは要らない、って、あっさり断ったようよ。」
そして、気づくと、キーンという音は止んでいて、波打っていた波動も収まりました。
これは今回が初めてでしたが、これ以降、僕のハイヤーセルフとイェシュアは結構連むことが多いようで、いつもこうやって、僕をそっちのけにして決断してくれます。ま、ある意味で、僕に良かれと護ってくれているのでしょうから、とてもありがたいのですが、「僕も決断の仲間に入れてよ〜」って時々思います(笑)。
翌日、このアスワンから、クルーズ船に乗ってナイル川をルクソールまで下ったのですが、甲板から穏やかなナイル川の水面を眺めながら、ラムセス2世からの熱い愛の波動をまだ眉間に感じていて、時間を超えて、なんとも言われぬ恋心にふと頬が熱くなりました。