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幽体離脱と分娩室での出生体験 1


それはそれはずいぶん昔のお話ですが、横須賀の米軍基地でインターンとして働かせていただいた時代がありまして、その時に、(8月ごろだったかな)産婦人科を2ヶ月ほどローテーションしました。


 とある晩に、なかなか陣痛が起こらない妊婦さんがいました。

夜中の12時を回っても何も進展がなく、同階の回廊をぐるぐると歩き回って陣痛が来るのをただ待っている状態でした。すると、産婦人科医のボスが「この人はしばらく生まれそうにないから、君は部屋に戻って眠りなさい」と言ってくれまして、忙しい日で結構疲労の溜まっていた僕は、同階にあった自部屋に戻りました。着替える気力もなく、スクラブ(手術着)のまま、ベッドに倒れ込む形で眠りにつきました。

はたして、次にふと気づいた時には、僕はなぜかオレンジの空間にいました。とっても温かくて心地よい空間でした。しかし、そこかどこなのか考える間もなく、その空間から急かされるように無碍に押し出されました。同時に、まるで宇宙全体の空気を吸い込むようなそんな感覚に見舞われました。そして、気づくと僕は産婦人科の先生(僕のボス)の腕の中にいて、見慣れた分娩室の天井の大きな照明が見えました。


続く



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